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飯盛鉱山

1.和歌山県那賀郡の地質概説

この地域は、西南日本を縦断する大断層である中央構造線(MTL)のすぐ南にあたります。
中央構造線を挟んで、北側には和泉層群と呼ばれる堆積岩層が分布し、また南側には三波川
(さんばがわ)結晶片岩と呼ばれる変成岩(主に緑色の結晶片岩)が東西に広く分布していて滑石やアクチノ閃石はこの緑色片岩の中に含まれています。

変成岩とは、一度できた岩石が温度や圧力の影響を受けて別の岩石に変わったもので、結晶片岩のほかに片麻岩、千枚岩、ホルンフェルスなどがあります。
三波川結晶片岩は、中生代白亜紀に200℃〜400℃の温度と4〜7Kb(キロバール)の圧力のもとで変成したと考えられています。変成した深さは10〜20Km程度でしょう。

ところで、近年この地域から金と手稲石が見つかり話題を呼びました。又、大阪府と和歌山県の境目、風吹峠付近には大きな砕石場があって和泉層群の砂岩泥岩互層が能く観察できます。


2.和歌山県那賀郡桃山町安楽川(あらかわ)の「滑石」

鉱物名:滑石、Talc(タルク) 、化学組成:Mg3Si4O10(OH)2
モース硬度:1(爪で簡単に傷が付く)で脂状感(ツルツル感)がある
比重(S.G.):2.6〜2.8、色:白、緑色を帯びた白
利用:石筆、製紙原料、潤滑剤、耐火物、医薬品、化粧品など

古代には、この場所の滑石を使って勾玉(まがたま)が作られていました。
日本の滑石鉱床は蛇紋岩中に幅1〜5メートル、長さ10〜20メートル以下の小レンズ状になっている場合が多く、この産地でも蛇紋岩が一緒に産出します。
滑石は、白くツルツルしていて爪で簡単に傷が付きます。
蛇紋岩は、黒または黄色(きな粉色)でツヤがあります。

滑石と蝋石の違い:

滑石は単独の鉱物名です。蝋石とは、本来は葉蝋石(Pyrophyllite 、パイロフィライト)を主成分とする岩石のことで、滑石よりも堅いものです。しかし、葉蝋石と外観の似た石を含めて一般的に蝋石と呼ぶことがよくあります。
滑石は変成作用に伴って産出します。一方、葉蝋石は熱水(≒高温の温泉水)が既存の岩石と反応して出来ます。

3.和歌山県那賀郡粉河町龍門山の「アクチノ閃石」

鉱物名:アクチノ閃石(緑閃石、透緑閃石、陽起石とも)、Actinolite(アクチノライト)
化学組成:Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2
モース硬度:5〜6、比重:3.03〜3.17
色、形:緑色長柱状〜繊維状(石綿)、特に細粒緻密なものが軟玉(Nephrite)

アクチノ閃石はカルシウムを含む角閃石の一種です。この種の角閃石には他に、
透閃石(Tremolite)と鉄アクチノ閃石(Ferro-actinolite)があり、鉄(Fe)とマグネシウム(Mg)の比率によって区分されています。

透閃石:Mg=100%〜90%、スカルン(交代を伴う一種の熱変成)によって出来る

アクチノ閃石:Mg=90%〜50%、玄武岩などが低温の変成作用を受けて生成する

鉄アクチノ閃石:Mg=50%〜0%(つまりFe>Mg)、産出は希

4. 和歌山県那賀郡粉河町龍門山の「黄鉄鉱後の褐鉄鉱仮晶」

アクチノ閃石と同じ場所から滑石が採集できます。この滑石の中には、褐色の立方体結晶が含まれています。これは、黄鉄鉱がその外形を残したまま変質して褐鉄鉱になったもので、「黄鉄鉱後の褐鉄鉱仮晶」と呼ばれています。地方によっては、武石(ぶせき)、升石(ますいし)、角石(かくいし)とも俗称されています。


5.和歌山県那賀郡那賀町の飯盛鉱山跡

三波川変成岩の中には、黄鉄鉱や黄銅鉱が層状に発達した鉱床が、しばしば存在しています。かつては日本から産出する銅の多くがこの種の鉱床から供給されていました。別子型含銅硫化鉱床とかキースラーガー(Kieslager、独)と呼ばれています。
鉱床の成因については諸説ありましたが、現在では、深海底で噴出した熱水から大量の金属鉱物が沈殿し、それが変成作用を受けて出来たと考えられています。

飯盛鉱山は典型的なキースラーガーの大鉱山でした。鉱山施設や大きな坑道は残っていますが、鉱物標本に適するような鉱石はありません。
ズリ(選鉱にかからなかった捨て石)の中から、細粒の黄鉄鉱塊や各種の結晶片岩が拾えます。紅簾片岩(こうれんへんがん)という紅い結晶片岩も含まれています。